多田図尋常小学校の3時間目はプロの音響エンジニアでタダーズ最高技術顧問 のT.eng氏による「音楽と時代背景」。今回は前回のフルトヴェングラーに続く指揮者編の第2弾で、イタリアの偉大な指揮者トスカニーニです。トスカニーニは「リズムを刺激する『コブシ』を効かせた指揮」をするフルトヴェングラーと対照的に、このままではクラシックは片田舎の音楽になってしまうと、譜面を徹底的に研究し、どの分野の音楽も見事なアンサンブルで聴かせるそうです。その脈流はカラヤンをはじめ多くの指揮者に引き継がれて今やそれが主流になっています。ナチスヒトラーに贔屓にされてもドイツ国内に留まり続けたフルトヴェングラーに対して、トスカニーニはイタリアの独裁者ムッソリーニと対立してさっさと渡米してしまいます。
そんな対照的な二人の指揮ぶりの違いをロッシーニのオペラ「ウイリアム・テル」などを具体的に聴き比べながらそれぞれの特徴を丁寧に解説していただきました。
次回、取り上げるのは同時代の巨匠ブルーノ・ワルターだそうです。
そういえばダイヤ高齢社会研究財団の澤岡詩野さんがお子さん連れで参加されたのですが、小学生のお子さんはT.eng氏の音楽の授業をとても楽しまれたそうです。T.eng氏は「尋常小学校?小学校といえども手抜きはせずに徹底的にやりますよ」とおっしゃっていましたが、本物の芸術は年齢を超えて伝わっていくのですね。T.eng氏の一言感想です。
●次やるのがワルターなら、その後は誰にしようか?