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732 多田図尋常小学校の人々 「『相手を見て言え』と言いたい」


1時間目は元小学校教師の井上清三さんのオンライン社会授業「民主主義と禁酒法」今回は「未成年喫煙禁止法案」の成立経緯についてでした。明治時代に根本という教育政治家がいました。思い立って渡米するも英語が理解できず小学校から入学し、最後は大学まで進学して帰国。その根本議員は日本もアメリカのように小学校は無料化しないと有能な人材が生かされないと小学校をを無料化させました。その時、日本では子どもたちがタバコを吸うのは当たり前で、小学校を無料にしても、肝心な子どもたちがニコチン中毒になったら意味がないと未成年喫煙禁止法も作ったそうです。なるほど今回も勉強になりました。井上さんの感想です。

 

「禁酒法と民主主義」の仮説実験授業、問題3に入りました。「未成年者喫煙禁止法」の制定の決めてが、「小学生まで街頭で煙草をくわえて歩いているのは文明
国の名に恥じる」「子どものときから煙草をすっていると肺が悪くなって兵隊にとれなくなって大変だ」というのがおもしろいですね。富国強兵の明治の香りがします。
 私の社会授業の後の2時限目は、「いきづらさ」についてゲスト先生の澤岡詩野さんの小学校でのいじめ体験の話を聞きました。最初に思ったのは、澤岡さんの「左利き」のことに関連しての事件について。研究授業で澤岡さんがこっそり習字を左利きで書いていることを校長先生が発見して担任の先生に指摘したそうです。その先生は自分の指導の未熟さを指摘されたと思ってしまったのではというお話でした。

元教員の私は「これっ、あるんだよなあ」と思った次第。教員、特に小学校教員は一国一城の主で、子どもへの指導に対する批判に弱い。批判的な言動を受けたら、必ず「チッ」となって、逆効果甚だしい。

 私にも経験がある。体育の研究授業があり、途中の話し合いで子ども同士の喧嘩が始まった。ちょうど雨が降って来たので、やむなく研究授業を中止して子どもを教室に帰したことがあったんだ。放課後の研究会で、講師から他のクラスと比較され「学級経営の問題です。」なんてことを言われたことがあった。もう、顔を真っ赤にして怒ったもんだ。「おまえ、俺のクラスのこと分かってんのか・・・」と。このことについては、この講師がどっかの小学校の校長になってまでも、私が退職するまでも忘れずにみんなに言い伝えている。

 何事も言い方だと思う。えらそうに、マウントするように言ったら反発されるのは当たり前。相手にしっかり伝わるように言いたかったら、「相手を見て言え」と言いたい。「ああいう喧嘩になること、私も経験あるけど・・・」なんて前振りは絶対条件。そのうえで、相手の表情を観察してからの一言でなくちゃ。澤岡さんの「左利き」に関する事件での校長の物言い、これが良くない。せっかくの「左利き」問題の教員同士の話し合いの切っ掛けになったと思うのに・・・。「私も経験あるんですよ。どうしたらいいんでしょうね・・・」の前振りが絶対必要だったと思う。「いきづらさ」に関して、担任の先生も持っている。ちょっとしたことで責任を感じてしまうことかな。でも、それについての一つの手立てとして、指摘する時の言い方・伝え方があると思う。