3時間目の音楽の授業はタダーズ最高技術顧問でプロの音響エンジニアでもあるT.eng氏の「音楽と時代背景」です。
フルトヴェングラー、トスカニーニ、ブルーノ・ワルターの3大指揮者に続いて指揮者編第4弾は音の魔術師レオポルド・ストコフスキー。ディズニーの有名なアニメーション「ファンタジア」を演奏した方です。実はT.eng氏は幼少時に、この名演奏と出会い惚れ込んで、何回も聴き大きな影響を受けたそうです。
ストコフスキーは聴く人に最高の音楽と、クラシックのあらゆる可能性を模索した指揮者でした。例えば、それまで左右に分かれていたオーケストラの第一と第二バイオリンを左側に寄せて驚かせ、これはストコフスキーシフトと呼ばれ、今ではそれが当たり前になっています。またロシアの作曲家ムソルグスキーのピアノ曲「展覧会の絵」はラヴェルが管楽器中心の煌びやかなオーケストラとして編曲され、高い評価を得ていたのですが、ストコフスキーはロシアの風土に合わせて弦楽器中心の曲を作り、これも高い評価をえたそうです。さらには音を追求するあまり、普通は音楽に使用しないものまで楽器に総動員したと言います。
またマイクがなく、レコード盤に針で直接カッティングしていた時代から録音にも細心の注意を払う指揮者でもありました。まだ マイク1本のモノラル録音しかなかった時代に、有名な「ファンタジア」の演奏では、お金に糸目をつけずなんと9本もの多重録音を決行。そのおかげで私たちは今でもその最高の音源を楽しむことができているそうです。ストコフスキーは95歳で亡くなるのですが、94歳の時にレコード会社と6年契約を結んでいて、100歳まで現役のつもりだったのです。
今回は中身の濃い解説付きでたっぷり音楽も聴くことができました。ありがとうございました。指揮者編の最後はカラヤンだそうです。T.eng氏の一言感想です。
●お待たせしました。次回はカラヤンやります。