多田図時尋常小学校の3時間目はタダーズ最高技術顧問T.eng氏の音楽の授業です。前回までの指揮者シリーズに続いて今回からピアニストシリーズの第1回。超絶技巧のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニに深く感銘を受けたピアノの魔術師、フランツ・リストと、重厚長大な鐘の
音色を演奏するロシアのピアニスト、セルゲイ・ラフマニノフを取り上げました。二人とも演奏家であり作曲家でもあります。
まずパガニーニの「24の奇想曲 第1番」と、それをリストがピアノ曲に編曲した「パガニーニによる大練習曲 第4番」と「パガニーニによる超絶技巧練習曲 第4番」の演奏を聴き比べました。これら超絶技巧を聴き比べた校長(中城)はバイオリンが肉体の一部のように聴こえたり、ピアノの勝るとも劣らない超絶技巧に驚いたりしました。
次にバッハの「無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番・プレリュード」と、それをラフマニノフがピアノ曲として編曲し演奏しているのも聴くことができました。
面白かったのは当時、多くの演奏家が必要で多額のお金がかかるため富裕層しか楽しめなかった交響曲を、より多くの人が楽しめるようにとリストが見事なピアノ曲に編曲したというお話。今回はベートーベンの交響曲第5番「運命」をピアノで聴かせていただきましたが、交響曲とは一味違った演奏でとても楽しい演奏でした。ただし、この編曲は、お家で演奏するには難しすぎたというオチがついていましたが。
音楽の授業を受けていつも思うのですが、音楽は時代背景や丁寧な解説が聞くと、よりリアルに聞こえてくるのですね。また今回の授業も大人だけでなく、前の授業の先生、澤岡詩野さんの6歳の娘さんも楽しんでいたそうです。音楽は年齢に関係がないことを実感しました。T.engさんの一言感想です。
●次はグールドとミケランジェリを取り上げます。