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775 多田図尋常小学校の人々「人間って面白い」


3時限は日光萌花さん(大学職員)の社会科で「人間って面白い〜楽天的日光萌花が出会った人たち〜」というテーマの授業でした。日光さんは前回のゲスト講師だった渡邊愁さん(放課後デイサービス児童指導員)に推薦していただいた方で、今日は小中高まで過ごされた北海道北見市の様子や、神奈川大学での活動などをパワーポイントを使って授業をされました。


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北見市出身です。
大学の職員をしている日光萌花です。前回、授業をした渡邊愁さんとは神奈川大学で同級でした。今日は「人間って面白い! 〜楽天的日光萌花が出会った人たち〜」というテーマで少しお話しをさせていただきます。まず私は北海道北見市出身なので、北見についても紹介しますね。
この写真は雪が積もった学校の校庭です。高校生のグランドでは野球、サッカー、ラグビーが同時に練習できるくらいの広さがあります。なので都内の小学校では屋上に校庭があると聞いてショックを受けたこともあります。こちらの写真は高校の校門付近です。除雪しないと50センチは積もります。次の写真は保育園に入園した頃の私です。我ながら可愛いですね。北見市は網走の隣にあり、オリンピックでカーリングが一気に有名になりましたが、もともと玉ねぎの大産地で、どこのスーパーでも広く売られています。北見市の地形が怪獣に似ているのでこんなキャラも作ったようです。北見は炭火焼肉が盛んで、この写真は厳冬の寒中焼き肉まつりです。大型施設の大駐車場を会場にして零下20度で厚着をしてみんなで焼肉に舌鼓を打つわけです。油断していると肉がカチンカチンに凍ってしまいますが。

3つのターニングポイント(保育園・高校・大学)
 さてここで私の23年を振り返ってみると大きく3つのターニングポイントがあります。
 まずは保育園の「キューピー・キャッスル保育園」ここは無認可ですが、学童保育もやっており、全市内より0歳から12歳までの子どもたちが通ってきます。「やればできる」という大方針の元、たとえばピアノ教室の先生、カナダ人の英語の先生、陸上連盟所属の陸上指導者などが、本格的に指導してくれるんです。私はこの保育園に小学校卒業まで通ったため、放課後に遊んだことのある友達がほとんどいませんでした。でも中学に入った時に保育園の体験が役に立ちました。入部した陸上部でもいい成績で、演奏会ではピアノ伴奏を頼まれ、英語の授業も抵抗がありませんでした。また中学では3年間、同じ先生が担任でしたが、この先生との出会いも今の私に大きな影響を与えてくれました。
 高校は北見北斗高校です。ここの学校で有名なのが強行遠足。まだ暗いうちから蛍光テープの襷をかけてスタート、男子は75キロ、女子は42キロを一日かけて走るんです。お医者さんも待機していますが、過去には脱水状態で救急車搬送された生徒もいたそうです。地域の方も総出で途中でお汁粉、ゴールでうどんが振る舞われるのですが、これが本当においしかったです。私は入試の面接で「強行遠足に憧れて受験しました」と話したくらいです。
この学校の弓道部は地区大会で優勝したり全国大会にも出場する強豪校でした。私は弓道部に入って女子副部長もやりました。用具の矢は部に備えているものや自分で購入したものを使います。弓道は、ある意味危険が伴い、強く引いた弦で耳を負傷することもあり、私も切って縫ったこともあります。
 大学は神奈川大学で社会教育課程を取りました。指導教授は齋藤ゆか先生です。正直、北海道受験だったこともあり、この大学についてはよく知りませんでした。入学して刺激を受けたのはボランティア活動です。この写真は入学してすぐに、広島の N POで5日間の農業体験に参加した時のものです。18歳から27歳の参加者が出会って5分くらいで、こんなに打ち解けちゃうのもびっくりでした。大学2年の時にはタイのアカ族の村にインフラ整備のための道路作りに参加した時のものです。現地はまだ未舗装で雨が降ると人も車も通れなく無くなるのです。このコンクリートを打っているのが私です。次の写真は飼っている豚を捌いて丸焼きにしているところです。私がホームステイをした家のお父さんも、夕食に生きている鶏の首を絞めてチキンスープを振る舞ってくれました。
 

 大学3年の時にコロナのため、全学封鎖となり対面授業ができなくなります。全てオンラインで授業を受けて感想を書くだけとなり、本当に絶望感でした。その中で、それまで学内で行っていたキャンドルナイトというイベントを六角橋商店街や地域ケアプラザなどが今年も各自で実施しようということになり、声をかけていただき私が実行委員長をやることになりました。皆さんの力で、このイベントをなんとか成功させて地域との強い繋がりを感じました。地域の方から伺った「神大生は地域の宝だよ」という言葉が強く印象に残っています。それをタウンニュースにインタビューされたのが、この記事です。大学卒業して4月から県内の大学の職員をやっていますが、これまでの体験を生かすような活動ができたらと思います。

人のいいところだけを見る癖
 中城さんから「日光さんは嫌いな人や苦手な人はいないのですか?」と驚かれたのですが、私はどの人にも、その人の良いところだけを見てしまうのです。この癖はおそらく中学時代にいじめにあったこととを関係があります。所属していた陸上部のメンバーが、順番にいじめの対象となって、仲間ハズレや徹底的に無視されていたんです。そしていじめの対象も順番に代わっていくのです。私はいじめる方にもいじめられる方とも話をしたり、どちらつかずというか少し距離を取っていました。私自身がいじめられた時は結構辛かったのですが、陸上部以外に親しい子がいたのでなんとか過ごすことができました。でもいじめが原因でリストカットした子もいました。この体験で、私はどんな子もいい面と悪い面があることに気がついて、そこから人のいい面だけを見るようになったのです。

 以上、駆け足でしたが、私の23年の人生を振り返ってみました。ありがとうございました。

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 尋常小学校常連の井上清三さんは北大出身で今回の日光さんのお話を楽しみにされていたようで、次のような感想を送っていただきました。井上さん自身の社会科授業の感想と重複しますが、一部ご紹介します。

●前回、今日の講師の日光さんが北海道出身だと聞いていたので、「これは絶対に聞かなくちゃ」と思っていました。用事で途中退席し、急いで再入室したら、日光さんは北見特産の玉ねぎの話をしていたのかな。私が北大に入学して初めて北海道に行った頃は、道東と言えば「網走」(高倉健さん大好きです!)で、「北見」は聞いたことがあるけど、どこにあるかわからないと言った程度の所でした。今や網走よりも有名ですよね。なんたってカーリングで有名。
 日光さんの話を聞いていて、先ず驚いたのは、パワーポイントを使った自分のこれまでの人生のプレゼン。多数の写真を使い、動画を使い・・・日光さんの生き方がよく分かりました。若い人はみんな、こんなプレゼンを当然のようにやれるのかなあ。それと中・高・大と日光さんが実に楽しそうだったこと。この「楽しそう」さは、どこから来るんだろうと考えちゃいました。私の経験を元にした私見ですが、「男女一緒」がキーポイントにあるような。比べて私の学生時代(高校は男子校で、北大では空手部)の写真を見ると、男ばっかりの黒一色。それなりに楽しかったとは思うけど、なんか白黒とカラーの違いがあるような気がするなあ。やっぱり男女共同・共生でなくちゃ・・・ね。それと最後の驚き、日光さんがボランティアで、なんとタイにまで行くとは・・・。