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779 多田図尋常小学校の人々「いつもと違う日曜をありがとうございました」


本日の2時限は田中陽介さん(カラーユニバーサルデザイン機構(CUDO) 副理事長)の「「色覚多様性って何?」〜クイズで知ろう!カラーバリアフリー〜という授業でした。田中さんは、常連講師で日本色覚差別撤廃の会の事務局長でもある井上清三さんの古くからのお知り合いで、校長(中城)は2011年の夏に東日本大地震被災地を徒歩旅行
した時に出会いました。その時、伺ったCUDOの活動内容が気になり10月にゲスト講師をお願いしたのですが時間が足りず、再度お願いしました。
 今回の授業はパネルを使ったクイズ形式で行われ、とてもわかりやすいものでした。私たちが日常で見えている景色が、色覚多様性の方々には、違った景色として見えることや、そこから生まれる不都合を解消するために識別しやすい色彩、模様、形状にするなどの配慮や対策を丁寧に説明していただきました。
 クイズ講習会のあとは色覚多様性当事者である田中さんご自身の体験談に移りました。田中さんが色覚を初めて意識したのが、小3のころに運転中のお父さんから道路地図を渡されて赤の国道と黄色の地方道が区別できなかったこと。色の話で友達を言い合いになったこと。小学校の色弱の検査で合点が行き、もやもやが晴れたことなど。
 大学を終えてから田中さんは色覚制限のある飛行操縦免許がどうしても欲しくなり航空大学校に問い合わせたところ「色覚多様性の人は絶対にだめ」と冷たく告げられ、それをきっかけに一念発起してトラックドライバーで資金を貯め、とうとうアメリカのフライトスクールに入学して見事、飛行機操縦免許をとったことなど、さまざまなお話をしていただきました。
 小学校の色弱検査について井上さんや「はなまといる」の東田信子さんからも意見が出て、それぞれの受け止め方があることを実感しました。「次はぜひ田中さんと井上さんとのコラボ企画を」という声もあり、楽しみになってきました。井上さんの感想の一部をご紹介します。
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●2時限目は、古くからの友人でプロの色盲家(最初に会った時、自称してました)である田中さんの「カラーバリアフリー」の授業。田中さんの主張は、「色についての人の感覚は、多様性がある」ということ。「だったら、こんな工夫をすればいい」ということ。
11月にあったNHK Eテレのバリアフリーを考える番組「バリバラ」で、焼き肉の焼け具合を色で判断ができないという色覚多様性の人が出てきた。番組では焼き肉の焼き加減を色ではなく、焼き時間で判断する焼き肉のやり方を紹介していた。けれどその後がいけない。こういう「色覚異常」と言われる人が、日本には約300万人いると蛇足の説明をしたんだ。おいおい、「色覚異常」と言われる人はみんな「焼き肉がにがて」ということ? 私が事務局をやっている日本色覚差別撤廃の会では、即NHKに対して抗議と要請文を送ったんだ。このちょっとした蛇足が、偏見・差別に繋がると思うんだ。その点、田中さん達のCUCO(クドー)はそれをしっかりわきまえている。初めはカラーバリアフリーの話だったんだけど、脱線していき田中さんが若い頃にアメリカで取得した飛行機操縦免許の話で盛り上がったような。自分の色覚当事者意識を深堀してのいろんな経験、話は尽きないですね。
最後に田中さんの感想です。

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●中城様、昨日もお世話になりました。先に退室してしまいすみませんでした。井上さんのお話はさすがに教師らしく、T.eng氏のクラシックは日曜の朝をゴージャスにしてくれるものでした。いつもと違う日曜をありがとうございました。