790 多田図尋常小学校の人々「次回はグリュミオーとメニューインを取り上げます」


3時限はミュージックバリスタT.eng氏Coffee Break Music In Tadaz」のヴァイオリニスト特集の第4回です。今回は芳醇な音色の名ヴァイオリニスト、ダビッド・オイストラフと、その弟子でもあるギドン・クレーメルを取り上げました。
オデッサ出身のオイストラフはヴィオリニストとしては最強格の一人ですが、幼い時から飛び抜けた才能でガンガン出ていくようなタイプではなく、20代後半から高い評価を受けるようになり、モスクワ音楽院で8年間、教授も勤めてクレーメルも教えました。亡命の危険がないとされ当局から海外での演奏も認められ、西側でもよく知られたヴァイオリニストでした。そのため多くの演奏会に参加し、働きすぎたのかアムステルダムの移動の車中で急死してしまいました。
彼の演奏は大きく弓を使い音を豊かに響かせ、軽さと硬さも兼ね備え、その見事な演奏技術、特にスタッカートは海外の多くの演奏家を羨ましがらせました。
 そして二人目、オイストラフの直系の弟子、ラトビア出身のクレーメルは、両親も音楽家で4歳からヴァイオリンを始め英才教育を受け、パガニーニやチャイコフスキーなどの国際コンクールなど多くのコンクールを総なめにした早熟の天才です。
 

 

結局、彼はソ連とは体質が合わず、ドイツに亡命します。若い世代を発掘しようと1981年にロッケンハウス音楽祭を創設し、1997年にはバルト3国の演奏家によるクレメラータ・バルティカを結成します。新しい音楽の流れを作ろうと現代音楽作曲家の曲の演奏が多いのですが、バッハなどの古典も素晴らしい演奏をし、とても広いレパートリーを持っています。使用楽器はストディバリ、グァルネリ、アマティなどを渡り歩いていますが、どの楽器でも自分の音を響かせる高い技術を持っていました。

 
 今回は二人の演奏でバッハ、チャイコフスキー、現代作曲家、そして二人の聴き比べとしてモーツァルトのヴァイオリン協奏曲を聴きました。
*私が一番しっくり落ち着いて聞けたのはなぜかバッハでした。そして古典以外は、みんな現代音楽に聞こえて来たのも不思議でした。
T.eng氏の感想です。
●次回はグリュミオーとメニューインを取り上げます。どこかで渡邉さんは1コマ分を酒で授業やってくれるかな?