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808 多田図尋常小学校の人々 「授業ってどう考えたらいいんだろう」


●1限目(8:30~8:50) 数学/音読

「やわらかな思考を育てる数学問題集」
1限目は、元小学校教師の井上清三さんのオンライン数学と国語の授業。前回で、好評だった徳川綱吉将軍の作った悪法「生類憐みの令」が終了して、旧ソヴィエトで天才児を育てるために作られたこの問題集をやっています。前回、試しに出された問題は井上さんの元教え子の方が見事な正解で、今回こそはと校長(中城)は気合を入れて臨みました。
今回の問題は、3人でバスに乗った時、細かいお金がない時の対応方法について考えさせて最後に「どのように支払いましたか」と問われます。前回は、見事にやられたので、裏の裏を読んで「手で払いました」と答えたら不正解!がくっ!答えは普通に一人が立替て後で精算するというものでした。内心「こんなこと誰でもやるじゃん」と思ったけれど、「これが造作なくできるのは日本人だけかもしれませんね」という声もありました。

そう言えば、暗算でお釣りの計算ができない国があると聞いたことがあります。日本人はかなり特殊なのかもしれません。そんなことも含めて色々と楽しめそうです。次回こそ校長も正解を目指します。

 そして後半は、井上先生の「今昔物語」の読み聞かせです。ところどころひっかかりながら、淡々と読む井上さん独特の味わいのある読みでしたが、話の内容自体は今の私たちが読むと今ひとつ。井上さんご自身もあまりおもしろそうではありませんでした。
「訳本より原文を読んだ方が味が出て、いいのかもしれませんね。次回までにもっと面白そうなものを探してきます」とのことでした。まさに試行錯誤ですが、ある意味、未完成な授業をみんなで作っていくプロセスに、ぜひお付き合いください。井上さんの感想です。

授業ってどう考えたらいいんだろう。

 

 私は、教育学部出身でもなく、まったく教育に縁なく学生時代を過ごした輩で、絵にかいたような「でもしか」先生だった。言ってみれば「ある日突然教室に放り込まれた・・・」感じかな。先ず困ったのは、授業をどう進めるか?教科書どおり進めればいいんだろうけど、なんともやってる自分がおもしろくない。そう思っていると道が開けるみたいで、授業に関する研究はいろんな所に情報満載しているのがわかった。教科内容の大まかな流れは崩さないけど、教科書使わずの授業をどんどん教室に持ち込んだような。そのころはやった言葉をもじって、「おもしろくなければ授業じゃない」なんて声高に言っていた。そのころ購入したのが、仮説実験授業の授業書。理科関係の授業書はよく使ったけど、社会関係は開きもせず本棚に眠っていた。それが、このタダーズでやっと日の目を見たわけ。予習せずに私も生徒になって授業に参加したもんだ。この「私も生徒になって」というのが、実に新鮮でおもしろかった。
 次の新しいタダーズの授業なんだけど、この「私も生徒になって(楽しむ)」というコンセプトを残したい。今、数学をちょこっとやっているけど、ここに出てくる問題は私が一度やった問題。だから答えを知っているわけ。これはこれで先生目線でおもしろいことはおもしろい。びっくりするような解答を出してくるのに驚いたりと・・・。授業で思ってもいなかった生徒の答えに驚いた
現役時代を思い出す。でもな、「私も生徒になって」は抜かせない。次回からいろいろやってみようと思ってる。