· 

829 多田図尋常小学校の人々 「充実した時間となりました」


●2限目 社会
 「不登校は大切な熟成のプロセス」
    〜高校不登校の私の体験〜
                小野榛奈さん
(神奈川大学 学生/アルティメット*に夢中)
 
高校時代に不登校を経験した小野榛奈さん(神奈川大学生)にお話を伺いました。
    ・      ・     ・
 岩手県出身の小野榛奈です。小中学校時代は伸び伸びと学校に行っていました。運動が大好きだった私は中学で得意だった陸上で高校に推薦入学しました。でも各地から才能のある生徒が集まってきます。怪我をしてしまい、理想と自分の状態とに挟まれ、次第に学校が嫌になってきて、朝も起きられなくなってきました。
 小学校の教師をしていた母は必死で娘を学校に行かせようとするし、
毎朝がバトルでした。
何回も登校せずにいるととうとう
出席日数不足で留年となってしまいました。
私は完璧主義的なところがあり、中途半端なくらいならやらない方がマシ、遅刻するくらいなら休もうと思ってしまいます。不登校になってから1年が経ち、
今までの同級生が上級生と
なるのも嫌で思い切って通信制高校に転校しました。
通信制高校は
スクーリングの時だけ登校すればいいので、9時ごろ起きて家では毎日、
本やゲーム三昧となって
しまいました。家にはおばあちゃんが大好きな重松清の本が
たくさんあったし、ゲームは「Splatoon」をしまくりました。あっというまに一年がすぎて、普通の日常生活ができない自分にも嫌気がさしてきました。できない自分ともなかなか折り合いがつけられずに、それも不登校にもつながっていたようでした。そんな生活では
いけないと高校の先生とも相談して、大学を目指して
真面目に勉強を始めました。
 大学は自分が不登校で苦しんだ経験を生かしてスクールカウンセラーになりたいと
心理学を学ぼうと、また都会への憧れもあり地元でなく
神奈川大学を選びました。
ところが入学後、コロナの影響で学校は封鎖されていて
授業は全てリモート。オンラインで
聴講して
レポートを出す毎日でした。でも私は
面白そうな授業ばかり選択していたし、それを
オンラインで受けて感じたことを書いて提出すれば単位が
取得でき、結構楽しかったです。
コロナが落ち着き、少しずつ対面授業が始まり
私の苦手な試験も再開となってしまいましたが。
部活は2年になってからアルティメット*(*100m
✖️40mのコートでフライングソーサーを投げて
ゴールを目指す団体競技)の部活に入部しました。もともとチームスポーツが好きだった私は
見事にハマり、本来、卒論や就活を控えて
3年で引退するのですが、なんとか時間を調整しつつ
4年まで活動を続けたいと思っています。
 将来についてですが、受験動機だったカウンセラーの資格を取るためには大学院まで行く必要があるのですが、
これまで地域活動に参加してきて、人との出会いが楽しいし、そこから多くを学んできて、今は人との直接関わりながら働ける福祉関係に行こうかと思い始めています。
私の好きな食べ物ですか?ラーメン(家系)、お好み焼きなどで、友達や先輩と一緒にあちこち食べ歩いています。
  ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 小野さんの授業中、以前、神奈川区でプレイパークを作る準備活動をされていた瀬嵐理恵さんが突然ご参加くださいました。
「尋常小学校のお知らせメールに小野さんの名前を見つけたので覗いてみました。小野さんはプレイパークのスタッフでもあるんですよ」と伺いびっくり。機会があればそちらのお話も伺いたいと思います。小野さんの感想です。
●今日は貴重な時間をありがとうございました。
自分が話すことも、井上さんや T.engさんのお話、ラジオ(音楽の授業のDJ)を聴くのも充実した時間となりました。用事のためラジオの途中でしたが、何かコメントを挟むのがはばかられ、無言で途中退室失礼いたしました。