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846 多田図尋常小学校の人々「小さな場所を掘り進めます」


●3時間目 社会
 「のんびりうっかり25年」
  〜精神障害者地域作業所で学んだこと〜
        井上麻子さん 
(まいんどくらぶ事務局長・リンデンーカフェ杜 施設長
                  /お菓子作り大好き)

•今回の井上麻子さんの授業の生徒は、ゲストの井上さんと、校長の私、仕事の準備をしながら参加していただいたT.eng氏だけという贅沢なものとなりました。そこで校長の提案で井上さんと校長とで10分ずつ相互にインタビューして相互に発表ということになりました。まずは校長がまとめた井上さんへのインタビューです。

「小さな場所を掘り進めます」井上麻子
 私は井上麻子です。川崎駅の近くで日用品雑貨店の一人娘として生まれ育ちました。父は店を営みつつ詩吟を教えていたので、私の家は常に誰かがいる状態で、私自身は人見知りタイプなのに、小さい頃からお客の対応やお茶だしをしていました。注文があると父の運転する車で納品に行ったりしました。あるとき一人で喫茶店に納品に行った時、オーナーから「クリームソーダ飲んでいきなよ」と勧められ素直にいただいて帰ったら父から怒られたことを覚えています。当時、遊んでいた友達はビルオーナー、宝石店主、有名医院など裕福な家庭の子から、6畳一間に3人で暮らしている子まで、さまざまな生活環境の子どもが混在していました。高校くらいまではそれが当たり前だと思っていました。けれど社会に入ると、周囲の人たちは、ほとんど同じ生活、高い均質性の中で生活をしていることに気がつきました。私のような川崎駅前の、ごった煮の環境で育ったのは少数派だったのです。現在の障がい者作業所で働くのも少数派なので、これからもそんな小さな場所を掘り進めて行きたいと思います。

続いて井上さんからの逆インタビューは

「中城さんのお宅に伺った時に、とてもオープンな感じを受けたのですが、それはどうしてですか」からスタート。そこで私は、35年前に自宅で始めた学習教室「ベイシック・スタディ」や、「無料喫茶店 タダーズ・コーヒー」、ズームを使った「多田図尋常小学校」などの誕生の経緯を一気にお話しました。インタビューをした井上さんの感想です。
 
「私も大事にしたいです」
 中城さんからお話を伺ってみて、「こうしなければならない」ことが多い世の中で、中城さんの、来るもの何でもウエルカムなスタイルが居心地の良い空間をつくっているんだな〜と感じました。「なんでもとにかくやってみる」「こうしようと決めつけない方が面白い展開になる」私も大事にしたいです。

 

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 突然の相互インタビューでしたが面白かったです。しかし今回、井上さんのお仕事についてほとんど触れていなかったので、ぜひ次の機会にお願いします。

 

井上さんの感想

⚫︎先日はありがとうございました。人と話をするのは楽しい。知らないことを教えてもらえるのはワクワクする。
算数授業:もう少しちゃんと考えてみたいです。

(引き算が今でも苦手)
音楽授業:忙しくて音楽から離れてましたが、また、音楽の近くにいたいと思いました。