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848 多田図尋常小学校の人々「この数学問題集、納得して終わらせてくれません」


●1限目 数学
 「やわらかな思考を育てる

                                     数学問題集」
   井上清三さん

(元小学校教師・日本色覚差別撤廃の会事務局長

                                                            /空手師範)


 授業開始5分前になっても井上さんが現れないので、慌て電話すると「あ、忘れてた。今から入ります」と定時きっちりに参加されました。忘れていても間に合うとは流石に達人です。授業はまず前回の宿題からスタートしました。
前回の宿題
問題19
 1ドル札だけで127ドルあります。これを7つの札入れに分けて入れますが、1から127ドルまでの支払いをするときに、札入れを開けてお札をとりださなくても札入れをそのまま渡すことで支払いができるようにしたいと思います。どのように分けていれればよいでしょうか。
 
校長(中城)は、まず1枚の袋、次はその2倍の2枚の袋、次も2倍の4枚、8枚、16枚、32枚、64枚と、次々と2倍した袋を用意して、それを組み合わせて支払うと回答しました。
(例えば3=1+2、7=1+2+4、127=1+2+4+8+16+32+64)。
私は泥臭く2倍ずつ作って確かめました。初め127を見たときに2の等比級数の128を連想できませんでした。ガクッ。さていよいよ本日の問題です。
本日の問題
見える側にA、B、4、5というしるしが書かれたカードが4枚、テーブルにおいてあります。「カードの片側に偶数が書かれていれば、その裏にはAが書かれている」ということが真であるかどうか知るためには、最低、何枚カードをひっくり返せばよいでしょうか。
校長は全くわからなかったので井上先生の答えです。
5と4を開くことで奇数がA、偶数がBと、奇数がB、偶数がAの2通りが考えられる。そこで次のBを開くことで、Bが偶数かわかる。よってAを開かなくても「偶数が書かれていれば、その裏はAになる」とわかる。
校長はこの説明でもわからなかったので井上さんに聞くと、「後でわかりやすい回答を送ります」と、メールが送られてきました。
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井上先生の回答

 今回の授業、日にちを忘れてしまって申し訳ありませんでした。一応、用意はしていたので、なんとかはなりましたが・・・。ただ、最後の問題は、なんか違和感を持っていました。
 
 この問題、読めば読むほどどうしたらいいのかわからなくなってきました。正解は「3枚。Bと4と5のカードをひっくり返します」とだけしか載っていないのです。
 この回答から推定して初めの問題文に条件を付け足してみます。「4、5のカードの裏にもAとB、
AとB
のカードの裏にも4、5のしるしがついている
この条件だと、
①4のカードをひっくり返してAであることを確認
②5のカードをひっくり返してAでないことを確認
③Bのカードをひっくり返して5であることを確認
 それでAをひっくり返さなくても4であることがわかる。よって真であることを確認
 
 なんかこれでいいのか・・・と不安になっています。この数学問題集、問題の解説がないので、なかなか納得して終わらせてくれません。
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校長の感想
 本日の問題は、前提条件がほとんど書かれていないので、カードの裏の表示は何でもありになってしまいます。例えば4、5以外の数字はもちろん、アルファベットまたは漢字や絵だったり、あるいは真っ白という可能性もあります。これでは問題は成り立たないような気がします。でも井上さんのように4枚の裏側の情報を追加すると、今度は簡単すぎて、出題者の意図とは違うような気もします。この問題が成立する追加条件を考えるのが問題なのかもしれません。