●カップラーメンに潜む危険
次の写真、これはカップラーメンにお湯を注いだあと、3分間、フィルムの蓋を抑えるために大きなヤカンを乗せている写真です。これは実際に起きた状況を私が再現したものですが、こんな不安定な状態では何かの拍子で手前に倒れることもあります。もし熱湯や熱い麺が剥き出しの腕や足にかぶって、それを咄嗟に払い退けようとするとします。すると皮膚ごと剥けてしまう場合だってあります。特に麺類は粘性がある分、皮膚にペタッと張り付きやすいのです。こういう日常の動作にこそ注意を払っていただきたいと思います。
●熱中症対策では正しい飲み物を
次は熱中症対策の飲み物についてお話します。大量に汗をかくことは、体の水分を一気に失うことで、ある意味、出血にも等しいわけです。ところでみなさんは熱中症を疑った時に、この4種の中で何を飲みますか。
①冷水②スポーツドリンク③OS-1④スポーツドリンクを2倍に希釈⑤冷たい麦茶。
熱中症の判断ですが、よく宣伝されているOS-1が美味しいと感じたら、それは熱中症がだいぶ進行している状態です。体が必要としているのです。私も健康時に飲んでみましたがとてもたくさんは飲めません。健康体は必要としていないのですね。スポーツドリンクはかなりたくさんの砂糖が含まれています。さらに美味しく感じるさせるために酸味成分も入っています。この砂糖と酸味料のため、日常に飲み続けると虫歯になる可能性もあります。今回の選択肢にはありませんが、緑茶やコーヒーやビールには強い利尿作用があり水分として摂取してもすぐ排出されてしまいます。私自身は冷たい水か、麦茶を飲んでいます。最近は小学校で熱中症予防として子どもが水筒を持っていきます。学校によっては水以外の飲み物、スポーツドリンクなどを認めているそうですが、これらの要素を考えて持っていきたいと思います。
●怪我の対応
次は怪我をした時の対応です。こんな指先の切り傷の場合はどう対応しますか?まず血液をきれいに拭き取ったら救急絆創膏を強めに巻いてください。圧力で止血します。最近の子どもたちの怪我をしたときの対応に首を傾げたくなることがあります。鼻血が出た時は、私たちの時代は鼻を押さえますが、最近は、垂れる鼻血をテッシュか何かで受け止めながらくるそうです。手に切り傷を負った時も、私たちは手を心臓より高くしますが、今の子どもたちは手を下にぶら下げて、血をたらたら垂らしながら保健室にくるそうです。また擦過傷などの時の対応ですが、まず水道で砂やゴミを洗い流すこと。痛いですが、これが極めて効果的な消毒法なんです。
●自分の身体に興味を持つ
ここまで駆け足でお話をしましたが、とにかく自分の身体に興味を持ってください。自分の体です。医者に任せればいいと丸投げをしないでください。それをちょっと症状が出たからと無闇やたらに薬を使わないことです。反対に「放っておけば治る」と過剰に「自然」を信奉しないことも大切です。とにかく自分の身体の仕組みについて最低限の知識を持つことで、自分の状態を正しく把握することが大切です。
ありがとうございました。
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鯨井誠一さんの感想
宇多川先生による救急法は僕らも馴染みのある分野だと思っておりましたが、想像以上に概念が深く、大怪我を予防するためのものとして捉えていたと言うのは驚きました!
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校長の感想
昔、消防署の救急法の講習で人口呼吸や、AEDの使い方を習ったことがあり、今回もそのお話を伺うつもりでしたが、宇田川さんから「救急法は事前の事故防止」と伺い、まさに目から鱗でした。我が家の自動車にも救急キットを備えなければと思いました。また高齢者の私は家族から運転は控えるようにと言われていますが、これこそ事前の事故防止かもしれません。
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宇田川さんの感想
これまでzoomの使い方は講義か会議でしたが、尋常小学校に参加して、こんな使い方もあるんだと気がつかされました。こんな形で街の学校を簡単に開校できますね。