私が働いていたハート&アート空間「BE-I」は公園の向かいにあり、そこの代表の関口が、惨状を見かねて「西公園を遊ぼうプロジェクト」を立ち上げました。内容は①西公園とは何か?②地形的な西公園について③伊達藩との関わりなど、西公園に関わる地理、歴史的など多様な側面から追求するワークショップを毎月第4日曜日に始めました。春のお花見と夏の七夕前夜祭には訪れる人もありましたが、秋の西公園にも賑わいを創り出したいと、2016年から「西公園まつり」も始めました。そこでは物販だけでなく、歌や、地元高校のブラスバンドが参加したり、乗馬体験が出来たり、さらには展示してある蒸気機関車C60の初号機の横で、ミニSLを走らせて大評判になったこともありました。
ある時、西公園まつりに出店していた丸森町の石塚養蜂園さんが「清水さん、西公園に蜂の箱をおきませんか。良質の蜂蜜が採れますよ」と提案してくれました。えっ!?こんな街中ではちみつが採れるの?と半信半疑でしたが、面白そうなので市の公園課に相談に行くと、担当窓口が石塚さんと同じ千葉大出身で話が合い、計画はとんとん拍子に進みました。まずは社会実験として期間限定の蜂箱の設置許可がおりました。たまたま公園の整備工事が行われていたので、来園者が入り込まないエリアの一部に、カラーコーンとロープで仕切り、設置場所を確保。蜂箱を5箱設置しました。
設置期間は蜜の取れる花が咲く4月から6月まで。周辺地域では熊の目撃証言もあるので、箱の周囲には野外動物防止策としてソーラーの電気柵を設けました。蜂の行動エリアには西公園の他にも、東北大の並木道にある栃や、藤、アカシア、イタチハギ、桜などからも蜜が採れます。蜂蜜は毎年平均して100キロ前後の収量があり、石塚さんもびっくりでした。4年目の昨年は天候のためか豊作で200キロ近く取れました。取れた蜂蜜は200gずつ瓶に詰め500本から1,000本。近くのケーキ屋さんでマドレーヌなどのスイーツに使っていただいている他、市内の喫茶店等で販売していただいています。
西公園を遊ぼうプロジェクトは毎回20人から30人くらい集まって活動しています。西公園の近くで生まれ育った方を中心に、遠くに住む方がわざわざ通ってきたり、活動中に偶然通りかかった方もいるし、さまざまなきっかけで参加されています。この前はある方が公園で突然、篠笛を演奏してくれました。
これは水仙の苗を1万本植えたときの写真です。丁寧に水やりも行って、春になると見事な黄色い花を咲かせてくれます。植物に無関心だった市民の方も、自分が球根を植えたり、参加することで公園に来るきっかけが出来、季節や自然を楽しみにしてくれるんですね。公園の管理を行政だけに任せないで市民が積極的に関わって楽しむことで、行政と市民とのフラットな関係を作れるんです。
坂梨勝一さんの感想
横浜では米軍基地跡を使って花博覧会なるものを計画しています。地元市民の私にとって正直、行政が何を考えているのかがよく見えないです。今回の清水さんのお話は神宮外苑の話などとも、ついついダブらせて聴いてしまいましたが、市民の共有財産である公園を守るという意味でも、とても大切な活動をなさっていますね。より多くの人々に関わってもらえる工夫、とても素晴らしいです。
お世話になりました!この度は、ゲストというたいそうな役割を仰せつかり、ちょっと緊張しましたが、初めてチャレンジした画面共有が出来て、拙い話もいくらか皆様に伝わったかな〜?と思っております。貴重な機会を頂戴し、感謝です!