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916 多田図尋常小学校の人々 「宿泊施設は清潔が第一、でも掃除と草取りが大変です」


1限目社会
「九十九里でドッグ
    コテージを営んでます」
  〜デザイナーからドッグコテージ・オーナーに〜
   大島裕子さん/ドッグコテージ・オーナー
 
 元エクステリアデザイナーの大島裕子さんには無料喫茶店「タダーズ・コーヒー」開始当初から暖かく見守っていただき、カレー鍋と炊飯器を持参されてカレーを振る舞われたことまであります。その大島さんは退職を機に3匹の愛犬と共に千葉の九十九里に引っ越され、2022年12月より素敵なドッグコテージを始めました。お客さんの評判も上々で、宿泊予約サイトのAirbnbで予約の取れない人気宿としてスーパーホストに選定されたり、旅行サイト@bookingcomでもTravellerReviewAwards2024で表彰されています。今回はそのドッグコテージや九十九里の様子について大島さんのお話を伺いたいと思います。
 多田図尋常小学校が開かれる日曜の午前中はドッグコテージの最も忙しい時間帯でお客さんのチェックアウトの時間と重なってしまい、急遽、授業時間を変更、チェックアウト後の、次のお客さんのための準備までの合間に、駆け足でお話ししていただきました。
大島さん、無理を受け入れていただきありがとうございました。
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老後は田舎で・・が始まり
 千葉県九十九里市の「ドッグコテージ西野納屋」のオーナー大島裕子です。
元々はエクステリアのデザインをしていましたが、将来はどこか田舎で暮らしたいと思っていました。また田舎に住むとしても、ただ遊んで暮らすだけではなく何か仕事をしたい。そう思って浮かんだのがドッグコテージでした。
 実は、我が家には3匹の犬(うち保護犬が2匹)を飼っていて毎日散歩に連れて行くのですが、性格も異なる大きな犬を3匹連れて行くのは結構大変でした。新横浜の公園にドッグランがあるのですが、我が家の保護犬は人見知りならぬ犬見知りが激しく、他の犬がいると伸び伸びを走り回ることができません。そこで早朝、車で、鶴見川の河川敷の誰もいない場所に連れて行っていましたが、そんな我が家の犬たちが伸び伸びできる場が欲しいなと思っていたのです。
 私の母の実家が千葉にあり、親戚も九十九里に住んでいて、子どもの頃によく遊びに行っていました。そこで九十九里に狙いを定めてドッグコテージにあう土地を探していると古い家付の200坪近くの土地を見つけました。お金持ちの方が広大な土地に住んでいて、おそらく相続で分割したらしく、大きな木に囲まれた古い家が建っている区画を購入できました。

 

現場作業と事務手続き
 ドッグコテージの開業までにおよそ3年くらいかかりました。予算内で自分の納得できるコテージを建てるために、フェンス、芝生、敷石などの庭周り、室内の漆喰から塗装や仕上げなど、自分たちでできるところは材料手配からやり、できないところをプロの職人さんにお願いしました。それに先行して銀行から融資を受けるための事業計画の作成や交渉、土地の登記、建築確認、さらに消防庁、保健所、税務署などへの営業届けなども欠かせません。これらをデザイナーの仕事の合間に横浜から千葉に通いながら、また多くの方の協力を得ながら、なんとかゴールまで辿りついたという感じでした。

 

庭のシンボルツリー
 この160坪の庭は友人に手伝ってもらいながら自分たちで芝生を貼りましたが、とても大変でした。真ん中にあるシンボルツリーは古い家の横に生えていた木で、コテージの建設で伐採せずにすんだ木です。
真夏にワンちゃんたちが休憩できる木陰を提供しています。

 

コテージの床はタイル
 コテージの床はワンちゃんが滑べったり足を痛めないように、また掃除がしやすいようにタイルを敷いています。寒い冬に向けて床暖房を入れていますが、冷たい床が好きなワンちゃんもいるので部分的に施工しています。寝室の床は無垢のフローリングです。

 

キッチンとテーブル
 食事は出さないので自炊ですが、使いやすいキッチンを目指してお鍋や調理器具、お皿なども備えています。テーブルは大工さんに作ってもらいました。椅子はイケア製ですが背もたれの一部をオシャレに塗ってみました。壁にある振り子時計は古い家を解体した時に救出した時計も壁の色に合わせて塗ってあります。

 

 

扉のないバスルーム
 お風呂はユニットバスではなく従来工法です。壁のタイルは現地の職人さんにお願いして貼ってもらったのですが、改めて見ると目地の仕上がりや平面の凹凸が気になってきて自分たちで目地の補修を行いました。またお客様が歩いて数分の海岸で遊んで帰ってきたり、ワンちゃんも室内で過ごすので、どうしても砂が浴室のドアサッシに溜まってしまいます。そこでドアは使わずカーテンと段差だけで水を防いでいます。

 

 

夏でも涼しいロフト
 ロフトにも2台のベッドがありますが、ロフトの通路側はしっかり高さを確保してあり余裕で立って歩けます。屋根はガルバリウム鋼板です。夏の天井の暑さが心配でしたが、断熱材をたっぷり使ったので、昨年の夏は快適に過ごすことができました。

 

 

掃除と草取りが大変です。
 一番大切にしていることですか? 宿泊施設は清潔を保つことが最も大事です。日々、部屋の掃除と庭の草取りを徹底してやっていますが、これが一番大変です。チェックインは午後2時ですが、本日お泊まりのお客さんが早く入りたいとおっしゃっています。今から急いで準備をしなくてはならないので、授業はこれで失礼します。
*写真は授業のスクリーンショット、「ドッグコテージ西野納屋」のHP、フェイスブックなどから使用させていただいています。
T.eng氏の感想
 前にお会いした大島さんより格段にパワーが上がっていますね。
校長の感想
 ドッグコテージの存在自体を知らずいたのですが、大島さんのセンスと隅々まで配慮の溢れた素敵なドッグコテージを拝見して感動です。お忙しい中、無理を聴いていただきありがとうございました。
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*T.eng氏は、「心とからだの研究会」主催のイベントに参加するため、湯河原からのリモート参加でした。大島さんがお客さんの対応で席を外している間に、「心とからだの研究会」理事長の外山美恵子さんと副理事長の東田樹治さんにご挨拶させていただきました。東田さんの有料ズームのご提供、感謝いたします。