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933 多田図尋常小学校の人々「私の仕事のモチベーションの源は」


●1限目(9:30~10:10) 社会

「仕事を続ける秘訣は
 楽しみを確保すること」
   〜地域子育て支援の利用者からスタッフに〜
        江口知佳さん
(地域子育て支援拠点「どろっぷ」スタッフ
        /横浜マリノスの大ファン)
 
 大倉山の映画祭実行委でテキパキと実務をこなされていた江口知佳さんは地域子育て支援拠点「どろっぷ」のスタッフです。先日、職場をお尋ねすると緑に囲まれた素敵なスペースで、子どもたちが伸び伸びと遊んでいました。元利用者だった江口さんはスタッフとしてイベント企画立案から電話受付、予約、調整、会議などの裏方事務などで超多忙な日々を過ごしています。そんな多様な業務を続ける秘訣は大ファンである横浜マリノスの試合観戦を優先することだそうです。今回は長年地域で活動している子育て支援拠点「どろっぷ」の概要から具体的な活動内容についてなどを伺いました。
港北区の子育て環境
 私は元々、「どろっぷ」の利用者でしたが、親子ボランティアに誘われてお手伝いを始め、そしてNPO法人「びーのびーの」でのガイドやココマップ担当を経て、現在は「どろっぷ」の情報担当スタッフとして「ココアプリ」を作ったり、子育てサポートコーディネーターとして働いています。
 まず横浜市の子育ての背景を説明します。人口369万の全国第2位の大都市横浜市。その一番大きな区が36万人が住む港北区で、毎年2万人以上の赤ちゃんが生まれています。

そんな横浜市ですが、東京都のような児童館が1箇所もないため子育て環境の評価は低いです。でも実は横浜市には、さまざまな独自の子育て支援の取り組みがあります。私たちの「びーのびーの」もこの中の「親と子のつどいの広場」として始まったのです。

地域の人の力を繋ぐ

ここの基本的な考えは、子育て支援を1つの施設で解決するのではなく、地域の人たちの力を繋いでいく「子育てを取り巻く人」のネットワークを充実させることにあります。横浜市では出産前のお母さん、乳幼児、就学前の幼児、さらには就学児のために、さまざまな居場所を作っています。

地域子育て支援拠点どろっぷ

私たちの「どろっぷ」「どろっぷサテライト」は港北区の地域子育て支援拠点として活動していますが、その役割として乳幼児の遊びと育ちの場、その養育者の交流の場の提供、そして子育て相談、子育て情報の収集提供、子育てネットワークと人材育成機能、最後に地域住民同士で子どもを預け、預かる支え合いの促進などがあります。この中の情報収集提供が私の仕事ですが、唯一予算がついていません。しゅん!

 子育ての広場では「子どもがまん中で自由に過ごせる」ことが大原則です。そしてそこに利用者、スタッフ、ボランテイアなど「色々な人がいる」ことで、閉塞しがちな親子関係から抜け出して「親子以外の人とも過ごす」ことができます。ボランティアには、実習の学生たちや、折り紙(大人気)や工作など特技を持っている方、お花や野菜作りの得意な方など、さまざまな特技を持っている地域の方が参加され、運営が成り立っています。以上が「どろっぷ」の概要を駆け足でお話ししました。

私の仕事のモチベーションは

そしていよいよ今回のメインテーマ、私がこの職場で高いモチベーションを保ちつつ9年以上働いている秘密を公開します。秘密は大きく分けて「あそぶ」「他の活動を続ける」「推し活」の3つあります。これらはアクティブに活動している職場の大先輩から密かに伝授されたもので「やりたいことをやれると仕事も両方頑張れる」という話です。

あそぶ

まず「あそぶ」ですが、これは桜木町の高層のレストランで美味しいビールをいただいている写真です。そうです。私は友人と毎年必ず「ビアガーデン」巡りが欠かせません。もちろん「情報の収集と提供」のためです。おすすめは後で個別にお教えします。またガチャガチャが大好きでガチャを見つけると思わずコインを入れてしまいます。振替えると少し依存症気味でもあります。おかげで家中ガチャだらけです。

他の活動も続ける

そして次の「他の活動も続ける」。まず地元町会の行事、特に子供会の行事には子どもが卒業しても必ず参加しています。これは盆踊り大会ですが小さいなりに毎年盛大に行われます。また来月には相撲大会があります。私が相撲を取るわけではなく救護としてサポートします。また消防団にも入っています。あの放水する姿に憧れて入団。今年で5年目です。体力、気力、注意力が要求され、緊張感もあり、普段絶対にできない体験ばかりなのでおすすめです。皆さんも地元の消防団に入ってください。

 

次に「ひみつきち」です。これは障害のある人もない人も、老若男女が集まって新横浜の福祉施設ラポールでダンスやパフォーマンスをやる楽しいイベントで結成12年目です。私自身はダンスはやらないのですが、サポートスタッフとして全力で参加しています。また菊名のカーボン山で毎年行われるジャズイベントにも参加しています。席は30人程度ですが、そこに入れなかった人たちは、ピクニックシートなどを用意して、周囲を三百人くらいの方が集まってジャズの生演奏を楽しんでいます。私はあまりジャズは詳しくなかったのですが、生演奏を聴いてハマりました。街で声をかけられて参加し始めた演奏メンバーがいました。現在はプロの演奏家となりましたが、今も参加しているんです。それだけ魅力的なイベントです。最近は参加者が多すぎて、あまり宣伝をしないのですが、これもおすすめです。

 

推し活

そして最後の「推し活」です。これは仕事がどんなに忙しい時にも生き生きと働く先輩に教えてもらったのですが、先輩は「トシちゃん」にハマっていて地方の公演にもついて行ってしまうほどだったのですが、おかげでどんな仕事でも、次の公演まで頑張ろうと思えると教えてくれました。私は子どものサッカーで応援の楽しさは知っていたので、横浜マリノスのサッカー応援を推し活にすることにしました。みんなで大声で怒鳴りまくると超楽しいし何よりスッキリします。今年はとうとう神戸と京都まで遠征してしまいました。

 

素敵な方たちとの出会い

今回、校長先生からテーマをいただき、改めて自分が働き続ける理由を考えることになりました。1番の理由は、何より素敵な方達と出会いです。特にSボラさん(スーパー、スペシャルボランティア)を始め、地域のさまざまな方との出会いはもうたまりません。初対面ではごく普通の女性だと思っていたボランティアさんが実は、ちぎり絵のすごい名人だったりするわけです。また自分自身が子育て期に大変苦労していましたが、今度は反対にお母さんたちをサポートすることができるのは楽しいです。大倉山生まれの大倉山育ちの私ですが、それほど地域との結びつきはありませんでした。でも「どろっぷ」との関わりは、ひょっとすると親より深い関係を作ってきたかもしれません。そんな地域子育て支援拠点「どろっぷ」に、是非是非、おいでください。お待ちしています。そしてボランティアになるのも素敵ですよ。

 

雨宮さんの質問
ここは何人くらいの方が利用していますか。また利用にあたって予約が必要なんですか。
江口さん:今システムが変わって、数えにくくなっていますが、利用者さんが安全に気持ちよく利用できるように一応30組(60人)で締め切ります。隔週で日曜日も明けています。平日、他の幼稚園や保育園に通っている子どもたちもきますし、最近はお父さんの参加がとても増えています。予約は必要ありませんが、受付で登録カードに氏名連絡先などを記入していただいています。
雨宮さんの感想
 私は常日頃、横浜市の図書館や地区センターなどの施設の貧弱さ、市民への支援の薄さに不満を抱いていました。今回、江口さんのお話を伺って、「公がダメなら自分達の手で作っちゃおう!」という前向きな考え方、実行力に目から鱗が落ちたというか、まさに蒙が啓かれる思いがしました。ぶつくさ文句ばかり言っていた事が恥ずかしい〜!自分も楽しみながら地域のために活動を続けている江口さん、どろっぷの皆さんにも心からありがとうございます!と言いたくなりました。
東田信子さんの感想
 今日は九州からの参加です。私も神奈川区の子育て支援拠点で働いていて、どろっぷの江口さんはテキパキと仕事を進める優秀な方だと思っていたのですが、今日はその背景を詳しく説明していただき、とても勉強になりました。

 

T.eng氏の感想:推し活やってる方々はツヨイ。リアタダを推し活の場にする!?

 

校長の感想:
江口さんご多忙中ありがとうございました。
今回江口さんのバイタリティの秘密に一歩近づいた感じでした。次の「どろっぷ」の授業の相談にも乗ってくださいね。

 

江口知佳さんの感想:
今日は楽しい時間をありがとうございました!
私が一番好きなことを好きなように話させていただき、楽しんでしまっていて、、、ちょっと楽しみすぎたかなと思っていますが、お許しください。改めていろいろ考える時間をもち、中城さんのおかげで、またひとつ楽しみが増えたと感じる日曜の朝でした。
 次回ぜひ80年代音楽の会があれば、私の師匠も誘います!(瀬嵐さんもぜひ!)
 9月の第一日曜もとっても聞きたいのですが、残念ながら地元の相撲大会の救護係でして、、、もし雨で中止などだったらのぞかせてください!今後ともどうぞよろしくお願いします。