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☆NEW 最新!! 958 多田図尋常小学校の人々「次回は改めて内田光子と若杉弘をお届けします」


2限目(10:10~10:30)音楽
「Coffee Break Music In Tadaz」 
 本日のバリスタの気まぐれブレンド

「ラフマニノフの
 ショート&リバイバル」
      T.eng氏(音響エンジニア)

  今回はゲストの原美紀さんのお時間の都合により、予定していた内田光子と若杉弘の授業を延期・変更してT.eng氏が即興で、原さんの大好きなラフマニノフについて20分授業を行いました。

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天才作曲家にして、

 同時に作曲者に対して深い洞察と

     理解ができる稀有な演奏家
 セルゲイ・ラフマニノフは1873年にロシアの没落した下級貴族の家で生まれ、さまざまな挫折を乗り越えた天才作曲家でピアニストです。その音楽は当時は保守的と見做されて、いろいろと酷評されたりもしましたが、最後のロマン派として現代クラシックのスタンダードにもなっています。同時代のハンガリー生まれの先進的な作曲家バルトークと比べてみても対照的です。
 ラフマニノフに惚れ込んで有名なピアノ協奏曲3番をしばしば演奏する天才ピアニストのホロヴィッツとはお互いに客演したり共演する仲でした。ホロヴィッツはピアニストでもあるラフマニノフを尊重したためかピアノ協奏曲2番の録音は残っていません。またアメリカのピアニスト、ヴァン・クライバーンが23歳の時にソ連の第1回チャイコフスキー国際コンクールでラフマニノフ協奏曲3番を弾きました。その素晴らしさに審査員のスヴャトスラフ・リヒテルが満点をつけ、当時のフルシチョフ首相も西側ピアニストの優勝を認めて、受賞したことは有名な話です。リヒテル自身もラフマニノフの曲を好んで何度も録音しており、特にピアノ協奏曲2番はスタンダードにさえなっています。リヒテルは「この曲は私を宇宙に連れて行ってくれる」とまで述べていました。
 またラフマニノフは編曲にも高い才能を示し、ハイフェッツの演奏でも有名なバッハの無伴奏ヴァイオリンのパルティータをピアノ曲に編曲しています。スーパーピアニストでもあり同時に天才作曲家でもあるラフマニノフは、バッハが求めている本質を理解してヴァイオリンの曲を見事にピアノで再現したとも言えます。ピアノの演奏に当たっても作曲者に対して深い洞察と理解ができる稀有な演奏家でした。

ラッキーな朝でした 原美紀さんの感想
 スゴイです。T.engさん初めてお目にかかりましたが何者さんですか?お話を伺っても確かにラフマニノフの人柄が面白いです。これで曲の聴き方が変わります!! またラ・カンパネラも大好きな曲です。この技巧的な弾は天才ですね。今回、T.engさんの貴重な語りと、大好きなラフマニノフの曲が聴けてラッキーな朝でした。この楽しさを、前に多田図尋常小学校に伺ったスタッフの江口とともに周りの人にも伝えていきたいと思います。T.engさん、中城さん、ありがとうございました!

T.eng氏の見事な即興授業に脱帽です

                校長の感想
 多忙な中、尋常小学校で授業を行なっていただいた原さんのご都合に合わせて音楽授業のプログラムを、急遽、原さんの大好きなラフマニノフに焦点を当てたものに変更しました。中身の濃い即興授業をしていただいたT.eng氏に脱帽です。以前一度紹介していただいた天才ピアニスト&作曲家ラフマニノフについて、再度それも20分に凝縮した形で見せていただきありがとうございました。

T.eng氏の感想
 今回は原さんのご都合に合わせてラフマニノフのショート&リバイバルをお届けしました。
次回は延期させていただいた内田光子と若杉弘を改めてお届けします。